2013年2月2日
家庭の歳時記 2月3日 「節分」 2月4日「立春」
拝啓 立春の候、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。今日は節分と立春についてお話します。
石ばしる垂水の上のさわらびの萌えいづる春となりにけるかも
(志貴皇子の御歌・万葉集)
私の大好きな万葉の和歌です。まだあたりには冬の寒気が残っていながらも、その中に早蕨が萌え出でる様子に春の気配を感じるよろこびが満ち満ちています。千年をこえてもその情景がうかび共感できることはうれしいです。
長くて寒い冬をこえ、春に向うよろこびは実感しますが、古代であれば尚更春を待ちわびるこころはひとしおだったと想像します。
「24節気」というものがあります。暦とは別に一年を24の節に分け、季節の移ろいを知り農事の段取りをする目安としました。その最初が「立春」です。むかしはその日を正月とする考えもありました。1年のはじめの「立春」を迎える前日を「節分」とし、冬の悪気をはらい新しい年の陽気を引き入れ豊年をむかえる行事がされます。
冬の悪気をはらう行事が「鬼やらい」とよばれ、行われはじめたのは文武天皇の慶雲3年(706)。疫病の流行により百姓が多くなったためにおこなわれた。その後文徳天皇(850代)のころより民間でも広まったようです。「鬼やらい」とは鬼を桃の弓や葦の矢、矛と楯で追いやる行事だったそうです。
いまのように豆まきとなったのは室町時代からといわれています。
今でも節分の夜に鬼の嫌がる葉を焼き家中にいぶかせたり、鬼が嫌うという鰯の頭を柊の枝にさし玄関にはりつける風習は残っています。
わが家では、そこまではしませんが、どんなに遅くなっても主人の帰りを待ち、家中の窓を開け「鬼は外、福は内」と豆をまき、歳の分だけ豆をいただきます。だんだん歳が増えると全部たべるのが大変です。
そして「立春」をむかえ、午前中に「お雛様」をささやかながら飾り3月3日の雛祭りまで楽しみます。