自立への一歩をふみだす中高生時代のどのように過ごすかはとても大切です。何のために学ぶのか。友情とは、将来の夢とは、国や社会との関わりとは、生き甲斐とは…。様々な思索の中で、両親・ご先祖さまとの絆、歴史との絆、友の絆に生かされている自分に気付き、本物に出会う時期ではないでしょうか。
東日本大震災を通じて私たちは日本人が本当は持っている思いやり、感謝、人と人との「絆」に気づきました。自分以外の誰かを大切にする生き方を、私達の先祖がずっと積み重ねてきました。そして、失われていった命を受けとめて、その人達の思いを、繋ぎとめていこうと懸命に生きてきた日本人たちの努力があったからこそ、私たちは今生かされています。
中高生セミナー等の教育事業は、中高生時代に大切な思索の道しるべとして、先人たちの生き方や言葉に学び、先生や先輩、友と胸襟を開いて語り合い、「社会に役立てる自分」を見つける体験研修の場として、開催します。
さらに、世界から見た日本の可能性を探り、日本人としての生き方を見つめていくことも大切です。日本の伝統文化を背骨に立てた若きリーダーを日本と世界は求めはじめています。中高生行事では、そのような時代の期待を受け止め、日本と世界の諸課題に果敢に取り組む、若き日本のリーダーの輩出をめざして、歴史に学び、世界に視野を広げ、人格を磨き、友情を深め、志をたてていく育成事業を、情熱を込めて目指していきます。
人は誰しも、自分にしかない、キラリと光る可能性をもってこの世に生まれてきました。中高生の皆さんはその輝きに気付き、自分を生み育ててくれた両親・ご先祖さま、そして周りの友への感謝の心を持ち、言葉と行動に表します。
現地にいって確かめる、そこから大切なことは何かを探求し、行動につなげていくことを大切にします。また、デスカッションや意見発表を通して、対話力、思考力、発信力を養います。その中で、先人の知恵を謙虚に学ぶ姿勢を培います。
学校だけでは味わえない、本物の歴史との出会いを通じて、先人たちがいかに人生を、国を切り拓いてきたのか、体感します。先人の生き様は、将来の日本を担っていく中高生みなさんの心の支えとなり、困難を乗り越える強く優しい心を育みます。
中高生時代は、一生懸命生きることの尊さを知り、志を立て、これからの人生を力強く歩んでいく出発点に立っています。世の中に役に立てるかけがえのない存在であることを自覚し、友と大いに語り合い、心からの交わりを通じて、志を高め合っていきます。
アメリカの大学生、ローラー・グッゲンハイマーさんは「私は今回の震災のように人間性が問われる局面での日本人の素晴らしい対応を知り、同じ人間として、誇りに思うことができたのです。」と述べられました。日本人が大切にしてきた生き方こそ、今世界に求められています。世界に同化する日本よりも世界に尊敬される日本の担い手として、様々な視点から体験し、思索していきたいと思います。