まほろばの会とは?
日本の美しい感性を親子で一緒に育む地域教育です。
かつて寺子屋は、子供達が、先生や先輩、同世代と、学びあい、鍛えあい、素読や伝統体験活動を通して、人間力を育み、社会に出ていく素養を磨いていきました。
本会では、そうした日本の良き教育の回復をめざし、地域施設や神社等で徳育を柱とした地域教育事業に取り組み、また、親も一緒に参加することで、家庭教育に生かしていただくことをめざしています。
まほろばの会概要
開催場所
月例~季節開催など、8会場で開催(平成28年現在)
神奈川、東海(愛知)、大阪、広島、福岡、熊本、宮崎、長崎
対象
小学生を対象として、親子。中高生、一般も参加可能。
内容(各地で取り組んでいる事例)
改訂 古今の名歌、名文や日本文化に親しみ、豊かな感性を育む
- 古今の詩歌、漢文、先人の言葉など時節にあった言葉を選び、みんなで素読・暗唱を行います。
- 立腰(腰を立て姿勢を整える練習)の練習を行います。
- 唱歌の素読、合唱
活動
- 和歌カルタ、神話紙芝居、田植え、餅つきや注連縄作りなど伝統文化に親しみます。
- オリンピックイヤーにむけて、世界に紹介したい日本の魅力や偉人伝などを楽しく学びます。
素読の会に親子で参加した保護者の感想
- 背筋を伸ばして声を出す、こんなに気持ちがスッキリとは思わなかった。
- 4ヶ月前の「素読の集い」で学んだ高杉晋作の和歌を、突然子供(小学1年生)が言い出したので驚いた。子供の記憶力はすごい。
- こういう取り組みはもっと広まって欲しいし、学校でも取り入れて欲しい。
- 今度は幼稚園のお友達や知り合い家族を連れてきたい。言葉の勉強もできるし、押し付けがましくない道徳を学んでいるようにも感じられて楽しかった。
- 引っ込み思案な娘なのでどんな反応を示すか心配でしたが、素読にかなりはまったようで、いただいたプリントを毎日読んで、漢詩・和歌・広瀬中佐まですべて暗記してしまいました。興味の幅が広がったことが親としても嬉しく思っています。
- 皆の前で勇気を出してする素読の発表が自信になっているようです。今日は何回学校で発表したと夏休み後から毎日のように教えてくれます。友達の挙手発表する積極性を見て、学校でも変わってきたのではと思います。他流試合ではありませんが、他の学校の学年が違う子と同じ素読で触れ合う時間は刺激があり貴重と感じます。
- 日本人として、正しく子供たちを成長させる一助になっていると思います。本当に感謝致します。
- 姿勢を正して話を聞く大切さが分かった。子供たちにも集中力がつくようなので継続したい。
- 声を合わせて名文を読むことは大変気持ちの良いことだと感じました。立腰をご指導頂き、素読をする子供達の様子も一所懸命でとても良い経験でした。
- 音読をすることで知らない文章も読みやすく、その文の意味も心に伝わりとても良いひとときです。子供も楽しんでやり、本を読んだり理解する力も少しずつついてきているように思います。
- 立腰、素読、唱歌どれも気持ちよく子供達も大人も取り組んで楽しかったです。
- 季節感があって良かったです。鳥笛で本当に鳥が来たことが印象に残りました。
- 子供達はスポンジが水を吸い込むようにどんどん言葉を自分のものにしています。良い言葉、自分の心を支えられるような言葉をいれてあげたいと思います。
- 四歳の子と一緒に参加し、論語を素読しました。一生を通じて心がける言葉として孔子が「恕」(思いやり)という言葉を紹介している一文です。
大きな声で読み、しっかり覚えることもできてとても楽しかったようです。また、後日、突然、ありがとう、というの「恕」だよね、お手伝いをしてくれたあとにこれ「恕」だよね、とか語り始めるので驚きました。
心に響く素読の言葉 ー 言葉にふれての子供達の感想
ゴール守る ただ一人なる 任にして 青年は目を 見開きて立つ(皇后陛下)
たった一人で大きなゴールを守るサッカー選手はすごいと思います。目をカッとしている姿が伝わってきました。(小3男子)
父母も その父母も わが身なり われを愛せよ われを敬せよ(二宮尊徳)
自分は、お父さん、お母さん、そして、おじいさん、おばあさん、ごせんぞ様ともいのちがつながっているんだと感じます。つながっていると思うと、まもられている気持ちになって元気が出ます。
(小3男子)
石ばしる 垂水の上の さ蕨の 萌え出づる春に なりにけるかも(志貴皇子)
この和歌が作られたのは、千年以上前と聞いて、びっくりしました。今よんでも意味がわかるからです。滝の水が勢いよく流れていて、その近くでわらびが元気よくのびている様子が目に浮かんできます。春になって、わらびとか自然の中の植物も、のびていこうとしているし、私も新しい学年になって、学校や友達のことで、新しい気持ちでがんばりたいと思っています。
(小6女子)
おほぞらに そびえて見ゆる たかねにも 登ればのぼる 道はありけり(明治天皇)
私は、まほろば合宿で富士山に登りました。上を見上げたら、どーんとそびえ立っている富士山が見えて、「こんな高い山を登るんだ。大丈夫かな?」と不安になりました。
富士山に登っていると、だんだん足が痛くなってきました。耳も頭も痛くなってきました。「もう、もうだめだ」そう思っているとき、みんなでこの和歌をいいました。何度も聞いていると、なんだか「がんばろう!」という気持ちが出てきました。あと一歩、あと一歩と自分に言い聞かせながら、登っていきました。やっと目的の7合目につきました。霧で下は見えなかったけれど、痛さも辛さもパァッとはじけとぶようになくなりました。
この和歌には、どんなにつらいことでも、一生懸命がんばれば乗り越えられる力があるんだなと思いました。
(小6女子)