ホーム教育プログラム卒業生メッセージ
教育プログラム

卒業生・保護者メッセージ

大阪市立大学大学院生 尾崎 宇忠

私の原点

 私は、中高生の間に参加した合宿を通して、先人の生き様を基礎として、自分自身の事や現在のわが国を取り巻く諸問題について考えることができるようになったと思います。合宿では、歴史の舞台となった地へ赴き、諸先生方によるご講話を聞き、「リアルな歴史」を感じることができました。吉田松陰の和歌「帰らじと思ひさだめし旅ならばひとしほぬるる涙松かな」や、楠木正成の言葉「正成一人いまだ生きて有りと聞こし召され候はは、聖運つひに開かるべしと、おぼしめされ候へ」等、多くの言葉を学び、諳んじることができるようになりました。これは、単に記憶したというに止まるものではなく、この言葉を思い出すと、萩往還や河内長野の風景と共に、合宿で教わったこと―「至誠」や「利他」の精神―を思い出します。そして、それらの記憶は、重大な決断をするときや、わが国の国難に思いを致す際に、物事を考える道標となります。
 今でも、合宿で出会った先生方や友人と会う機会が度々あり、その都度、様々な刺激を受けています。友人と話すときには、合宿で教わったことを引用して話すことが、ある種の癖となっている程、ここで教わってきた言葉は私の思考の基礎として定着していることを実感しています。今後も、合宿を通して教えて頂いた学びを続け、人生を豊かにしていきたいと思うと同時に、合宿中に私が薫陶を受けた諸先生方やご支援下さった方々には、深く感謝しております。

広島大学卒 会社員 蓼 実穂

先人から学んだ思いやりの心

 私は、小学校から高校まで何回か合宿に参加してきました。小学生の頃は、なんとなく学んでいたという感じでした。しかし、合宿の回数を重ねるにつれ、先人の生き方から思いやりの心を学んできました。
 その中でも特に感動した体験は、広島県の海上自衛隊にある教育参考館を訪れた時のことです。特攻隊や回天で亡くなられた多くの方の遺書が収められています。どの方も、自分のことは何一つ書いておられず、残された家族を心配する気持ちや国を想う気持ちがしたためられていました。驚いたのは、当時の私と年が変わらない十代の青年が、こんなにも純粋で、相手を思いやり、無私の心を持っているということでした。私は、今の自分がどれだけ自分中心で生きているか省みました。そして、今の日本人からは想像できない彼らの生き方に触れたことで、強く心に残りました。
 日常生活や学校では、先人の生き方を学び、深く感動するということはなかなかありません。今思い返せば、年に一度の合宿の度に自分の心と見つめあい、どういう生き方をしていくべきなのか考える、貴重な機会だったと思います。
 今は社会人二年目となり、メガネ店で販売の仕事をしています。お客様の要望は人それぞれなので、期待に添えるよう相手を思いやる心を持ち、仕事に励んでいます。今でも自分の生き方について自問自答するときはありますが、思いやりの心をもち人に尽くすということは、根底にありつづけています。

大阪府 塾講師 前田 一成

 私は大阪の大手塾で講師をしています。大手塾といえば「受験」という壁を突破することのみを目標にした存在だと思われていますし、実際にそのとおりだと思います。ただ、そんな塾業界でも少なからず子供たちを育てることを担う以上、子供たちと真剣に向かい合わなければいけない場面が訪れます。そんなときに、私が思い出すのは中高生セミナーに参加していたころの自分です。自我が強く、よく言えば前向きで、悪く言えば自己中心的な性格でした。そんな私が子供たちと向き合って、「受験」という壁を一緒に乗り越えていこうと思えるのも、やはり中高生セミナーで養われた全人教育のおかげだと思います。
 よく思い出してみると、まず思い浮かぶのが友の姿。初めてのセミナーで寝食を共にしただけでなく、すばらしい講師陣の話にお互いの思いを寄せ合ったことが気恥ずかしくもありりながらも今の自分の生き方につながっていると思います。今でも覚えているのは、高橋 史朗先生、丸幸生先生らのご講義を拝聴し、仲間と感想を語り合う場面です。お二方に共通してお伝えくださったことは「感謝の気持ちを持つこと」と「命の重さを知ること」だったと記憶しています。何を当たり前なことをと思われるかもしれませんが、当時の私を初め参加していた仲間たちの心が大きく揺さぶられたことを鮮明に思い出します。仲間の一人が言いました。「今まで、平気でツレに「死ね」って言ってたわ…」後ろめたい気持ちがいっぱいあるなか、素直に反省している仲間の姿に共感できたと共に恥ずかしさを覚えたことを忘れていません。そんな羞恥心でさえも共有できたことが、人間の成長を支える糧になっています。自我が強かった私にとって中高生セミナーでかいた恥が不思議なことに今でも一番深く心に残っている思い出なのです。中高生セミナーに参加して初めて全人的な教育を受けられたことは間違いないと思います。
 そして歴史教育の根幹には、素直な気持ちで過去の事象に対峙する心が大切だと学べたのもセミナーのおかげです。「特攻隊など、ただの無駄死にだ。」と考えていた私ですが、日本が全身全霊を懸けて戦った事象を知り、大きなショックに言葉を失っていました。祖父たちの歩んできた歴史はどのようなものであったのか、セミナーと同じように中学、高校、大学と仲間と語り合いました。話さずにはいられなかったのです。これがきっかけとなって今の職業を選んだのかもしれません。
 みなさんは、今何を学んでいますか?セミナーに参加した方々の中には、きっと私と同じように恥ずかしさや歴史の事実に大きな衝撃を受けた方もいることでしょう。それは必ずや大人になり、社会に出てから役に立ちます。これから皆さんが立ち向かっていく社会では、「感謝の気持ち」や「命の大切さ」を知っていること、素直な心を持ち続けることが何よりも大切なには間違いありません。こんな私もセミナーに参加することで5年後、10年後と少しでもそれらの大切さをかみしめ、駄文ではありますがみなさんに少しでも伝われば、あの時熱く語ってくださった先生方に恩返しできているのかもしれません。

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