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2014年9月の記事一覧

2014年9月3日

夏季中高生セミナー報告(3日目)

*感想文と和歌でふりかえる、夏季中高生セミナーダイジェスト③*
みなさま、いつもありがとうございます。
中高生セミナー3日目をふりかえります。
ハイライトは何といっても、奈良の野外研修!いよいよ奈良の大仏さまにお会いします・・・!

①西山厚先生(帝塚山大学教授)特別講演からの
~東大寺、法華寺拝観、聖武天皇光明皇后御陵参拝~

日本人は「和の心」をいかに実現しようと努力してきたのか、その歴史を、本セミナーでは東大寺の大仏造立に込められた日本人の祈りに求め、学びたいとの願いから、西山先生にお話を賜り、参加者一同、深い感動を共有することが出来ました。
それは、西山先生が「歴史を学ぶ」とは昔の出来事だからといって他人事にしない、当時の人々はどのような気持ちだったのか、一生懸命に臆念するという学びの姿勢を示して下さったからだと思います。
全ての動物、全ての植物が共に栄え、誰もが調和と喜びの中で生きていける「和」の世界を本当に実現できる人などこの世にはいない。
しかし、この日本の国には、和の世界を本当に本気で実現したいと願われ、民の苦しみを自分の苦しみとして受け入れられた聖武天皇という方がいらっしゃったこと、「大きな富や力で大仏を造るのではなく、たった一本の草や一握りの土しかないけれど大仏造立に関わりたいという人々の真心で造ろう」との聖武天皇の御心を学び、日本人としての誇りを感じました。
これらは、聖武天皇がたった一人で実現するのは難しいことですが、奈良時代の人々が聖武天皇の祈りに応えて、大仏造立を実現し、幾多の困難な時代の中でも、その祈りを受け継いで、大仏さまを復興した重源上人、公慶上人、名もなき民たちの「和の心」を胸に大仏さまの拝観が出来たことは、忘れることの出来ない体験となりました。
大仏さまが私たちを見守って下さっているかのようにあたたかな空気に包まれ、奈良時代の人々も、鎌倉時代の人々も、江戸時代の人々も、大仏さまの御光で心が安らかになり困難を乗り越える勇気を得ていたのかと思うと、先人の心の一端に繋がることができた感動でいっぱいになりました。参加者は、次のように感想を記しました。

「直接、大仏さまにお会いすると、なぜかほっとするような、なつかしいような気持ちになりました。私は、いつも、大仏さまに見守られている。だからこそ、人が見ていない所でも立派に生きようという気持ちになりました。」(高1女子)
「人はきれいなものを見たらきれいと思えるし、楽しかったら笑う生き物。だから、世界中の大人に大仏を見てもらって、みんな一緒の気持ちになってほしい!と思いました。」(中2女子)
「大仏を造ることにたずさわった全ての人達の心がとても素敵だと思いました。人々を想って大仏を作ろうとした聖武天皇の心やその想いを必死に受けつぎ大仏を作りあげた人達全員の中にあった心が素晴らしく感じました。そういった人達の持っていた和の心を学んで大切にしたいと思います。」(中3女子)
「大仏様が日本にいらっしゃるということに誇りをもちました。大仏様は宇宙のすみずみまで照らして下さっている。大丈夫ですよとおっしゃり安心させて下さいます。そのことを忘れずいつまでも合掌し、手を合わせて大仏さまの光を感じたいと思いました。私たちが合掌している姿を見て観光にきている外国人、日本人がこれが日本だといって、まねをしてくれていたそうです。いつでも見られている、という気持ちで日本人として自信をもって行動していきたいです。」(高1女子)

拝観する中で、心に残る出来事がありました。東大寺の大仏殿で、参加者が静かに合掌してお祈りを捧げている様子を外国人観光客が真似て、合掌をしたり、きちんと礼をしていたのです。言葉を交わさなくても、自らの後ろ姿で一人一人が「日本」を伝える代表選手になれることを実感しました。


②いのちのバトン・キャンドルセレモニー

両親、祖父母、遡ってご先祖様たちから頂いた自分のいのちの輝きをしっかりと見つめ、両親への感謝の手紙をしたためます。そして、次の世代へ繋いでいく使命を自覚しました。

「いのちのバトン」の講話では、天皇皇后両陛下が、どれだけ日本国民を愛されているのかということが分かりました。人間誰しも、一度は壁にぶつかり、自分の価値を見失いそうになってしまうのですが、そんなことはないと、両陛下が教えて下さいました。人は、誰でも必ず人の役に立つことができる。これこそが、人間一人一人の生きる価値だと私は思います。」(高1男子)
「私は、死にたいと言う人が本当に嫌で、それを言う人にすごくいつもイラついてしまうんです。何か、悩んでいるからそのような言葉が出てくるのはわかるけれど、気軽にその言葉を言わないでほしい。両親がどんな気持ちで産んで育ててきてくれたかわかってるの、って。母親からの手紙には本当に感動していました。キャンドルセレモニーでは、私はいつも親には素直になれないけれど、感謝の気持ちがすごく込み上がってきました。その気持ちのまま親に手紙が書けたので良かったです。」(高2女子)

2014年9月2日

夏季中高生セミナー報告(2日目)

本日は、中高生セミナー2日目をふりかえります!

①「歌心と人生」和歌創作のすすめ
セミナー卒業生の越智祥恵さん(皇學館大学2年)により、和歌創作のポイントを発表していただきました。
美しい言葉には美しい心が宿り、両親への思いを和歌に詠むことで、自分の奥底にある感謝の心に気づいた体験談が心に残りました。
「どれだけ上手く詠めるかよりも、どれだけ言葉に真心を込めるのかが大事」という越智さんの体験に裏打ちされた言葉は、参加者の心に刻まれ、多くの和歌がうまれました!

②心を磨くトイレ掃除の実習
セミナーでは「日本を美しくする会」の方々にご指導をいただき、トイレ掃除の実習を行っています。
今回は、平日にもかかわらず、京都掃除に学ぶ会のみなさま、京都新洗組のみなさまにお越し頂き、心をこめてご指導頂きました。
鍵山秀三郎先生は、「心を取りだして磨くわけにいかないので、目の前に見えるものを磨く。とくに、人のいやがるトイレをきれいにすると、心も美しくなる。」とトイレ掃除の徳積みについて述べておられますが、ピカピカになった便器に向かうとこれまでにない達成感を味わうことが出来、自分の限界を超えて本当の輝く自分を発見することにつながりました。

「トイレ掃除がプログラムの中で一番やりたくなかったことでした。便器の内に手をつっこむなんて絶対にやりたくありませんでした。けれど嫌々やっているうちに汚れが落ちるのを見て、いつの間にか集中して真剣にやっていました。掃除が終わった後に顔が生き生きしているとも言われました。」(中1・男子)
「最初ははっきり言って臭かったし汚かったです。このような所に一時間以上も居れば倒れてしまうと思った程です。でも、掃除に学ぶ会の先生方が勇ましく掃除をしていたので、少し頑張る気持ちになることができました。僕は小便器担当で、水垢、尿石がすごかったのですが、だんだんきれいになっていくのを見てすごく楽しくなって、意欲的に取り組むことができ、最後はすごくきれいになっていました。」(中1・男子)
「掃除に学ぶ会のみなさんが、何のためらいもなく便器に手をつっこんでいく姿に本当に驚きました。しかし、自分と向き合うべきや!という感情が生まれ、ついには手袋まではずし、便器のすみずみまで素手で磨きました。磨いていくうちに、何の抵抗もなくトイレ掃除をすることができました。それにより、身も心もきれいになったような気がします。」(高1・男子)

③講話「和の心を尊ぶ日本の皇室の伝統」
世界の文化を取り入れながら、我が国を発展させてきた日本。その根底には、国際交流において、自国と他国への尊重の念を持って心を尽くしていかれる皇室の方々のご姿勢があることを、昨年、インドを御訪問になられた時のエピソードを交えて学びました。

「私は天皇陛下のようなお方こそ、「真の国際人」でらっしゃると思います。そして、私も少しでも近づきたいと思いました。訪問する国のことも一生懸命勉強し、この国の国民たちに喜んでもらおうとする真心には本当に頭が下がるなと思いました。」(高1・女子)

④劇団「まほろば」による歴史劇「大仏造立と日本人」
小学校6年生の教科書にも登場し、日本人なら知らない人はいないであろう、東大寺の大仏さま。しかし大仏さまが造られた本当の背景を、どれだけ多くの日本人が知っているでしょうか。
学生と若手教師の運営スタッフが力を合わせて、千年の時を越えて、大仏さま誕生秘話と、大仏さまを守り続けた日本人の祈りと行動を熱演しました!

⑤金メダル宣言(キャンプファイヤー)
キャンプファイヤーでは、東京五輪が開催される六年後の自分に対して志高く夢を宣言し、一人一人の可能性を引き出す中で、友と絆を深めました!

「私は六年後、着物を着てオリンピックを応援したいということと、必ず発展途上国に行き、少しでも多くの人を救う活動をしたり、自らユニセフのように、ベルマークのようなものをつくり、貧困で亡くなったり、栄養失調で苦しんでいる人を一人でも多く救いたいです。この合宿で同じに夢・志をもつ人を見つけたので、嬉しかったです。」(中2・女子)

<創作和歌>
・トイレ掃除
「汚いな始めたときはそうだった終わった時は心もきれいだ」(中1・男子)
「磨くたびピカピカになる身と心そこにはいつもトイレの神様」(高1・男子)
「みがき上げ臭い消えさり反射するトイレの中は風が通りて」(中1・女子)
「便器には鼻ふくらませ自慢げにのぞく私がぴかりと映る」(高1・女子)
「目を開き便器の汚れみつけたら便器との距離あと数センチ」

・金メダル宣言
「火を囲み大志を語った同志らと共に日本を支えていこう」(高1・男子)
「燃えさかる炎囲みて志さけぶ姿は勢いありて」(中1・女子)
「6年後姿も心も美しく広めていきたい日本のもてなし」(中3・女子)
「どきどきと緊張しながら宣言し気分も晴れて夢への一歩」(高1・女子)
「火を囲み友の目標聞くたびに我の心の炎も燃えたつ」(高1・女子)
「神職の夢に向かって勉強し曾祖父のような人間になる」(高2・女子)
「昔から受け継がれてきたおもてなし次は私がバトンをつなぐ」(高2・女子)

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