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2013年8月の記事一覧

親・教育関係者へ「教育実践の広場」

2013年8月7日

家庭の歳時記 「お盆迎え」

家庭の歳時記
 「お盆迎え」

8月の声を聞くと、なぜかそわそわしてきます。
それは、旧暦の8月13~15日に帰ってこられるご先祖様のお盆迎えの準備が、8月に入るとはじまるからです。
亡くなった姑が「庭の草がぼうぼうだと、ご先祖様が帰ってこられない」と、よく言って草を抜いていました。先祖を迎える心構えを教えてくれていたのだと思います。
庭がきれいになると、8月10日までに仏壇、仏具、遺影などを清め、11日に迎え堤燈に灯が点ります。
盆棚をしつらえ、季節の果物やそうめん、お菓子などを蓮の葉の上に乗せ供えます。
お供えのござの上には、きゅうりとなすで作った馬と牛を置きます。
これは、浄土から帰ってこられるときは馬に乗って早く、浄土に戻られる時は、牛に乗ってゆっくりとという気持を表しています。
そして、ほうずきの実を飾り明かり取りにします。
13日になるといよいよご先祖様がお帰りです。
西方浄土からの旅で疲れておられるので、最初のお供えは、迎え団子と酢の物です。
中日(14日)はご先祖が好きだったものや、季節の精進料理を供えます。
そして家族も同じものをいただきます。
15日は夕食にそうめんを供え、送りそうめんとします。
すべてが終わると、お供えや飾りを解きます。
そのときは、本当に浄土に帰ってしまわれたという、寂しい気持ちになります。不思議ですね。
お供えの品物やその方法は、宗派や地方によりさまざまですが、毎年毎年同じことを繰り返し、それが代々引き継がれると、わが家の伝統になります。
そして、それを経験する子供たちが、本当にご先祖様がいらっしゃると感じつつ、3日間を過ごすことがとても大切なことだと思います。
決して大げさなことではなく、亡くなった先祖と生きている自分達とのつながりを実感することのできる大切な行事です。

親・教育関係者へ「教育実践の広場」

2013年8月7日

家庭の歳時記 「盆踊り」「花火大会」そして「東京スカイツリー」

家庭の歳時記
「盆踊り」「花火大会」そして「東京スカイツリー」

夏休みに入ると、近くの神社などで行われている「盆踊り」の太鼓の音が聞こえてきます。
また、遠くで上がる花火大会の音も聞こえてきますね。
ああ夏だなとわが家にいながにして、しばし暑さを忘れて夏を感じてしまいます。
「盆踊り」や「打ち上げ花火」はお盆で帰ってこられる、ご先祖様や諸霊を慰めるという意味が込められています。
先日、テレビで「長岡花火大会」のようすを中継していて、そのすばらしさにみとれてしまいました。
この「長岡花火大会」は、戦争が終わってまもなくに始まったそうです。
戦没者の御霊を慰めようと。
そして中越地震で亡くなられた多くの御霊を慰めるとともに、復興のために応援をいただいたことへの感謝の思いもこめられているそうです。
「鎮魂」「復興」「感謝」がこの花火大会のテーマだと伝えていました。

ご存知でしょうか、実はあの「東京スカイツリー」にも「鎮魂」の思いが込められていたのです。
スカイツリーのデザイン監修をされた、澄川喜一氏の言葉を引用させて頂きます。

「前略  スカイツリーの設計者は、(法隆寺五重塔の)心柱構造を取り入れるとともに、日本の美しさの原点である「そり」(凹状)と「むくり」(凸状)を取り入れたすばらしい設計をされました。 中略  五重塔は卒塔婆で、仏舎利を納めた祈りの塔です。現在、スカイツリーが立っているあたりは、東京大空襲のときに大勢の人々が亡くなりました。スカイツリーはその鎮魂の塔のような気もします。また、昨年の3月11日には東日本大震災がありました。日本が復興しなければいけない、元気を出そうぜということで神様が誘導してくれたのではないかとさえ思います。 後略」 
(東京新聞ファーラムの基調講演より)

 古代の知恵と現代の最新鋭の技術が融合され、そこに日本人の「こころ」が込められていたとは、本当に感動しました。

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